顔面神経麻痺外来
目次
顔面神経麻痺の治療はご相談ください
顔面神経麻痺とは、顔の表情をつくる筋肉が動かなくなってしまう病気で、そのほとんどが今まで原因不明とされてきました。しかし2011年、顔面神経麻痺 診療の手引というガイドラインが作成されるようになり、原因やそのメカニズムが解明されてきています。
顔面神経麻痺の原因
顔面神経麻痺を引き起こす原因となる病気のうち
約70%は、Bell麻痺(ベル麻痺)とHunt症候群(ハント症候群)と呼ばれる病気です。
その他、真珠腫性中耳炎やその手術による顔面神経の障害(損傷)、糖尿病や膠原病の症状として現れることもあります。
Bell麻痺(ベル麻痺)は、30代、50代に多く
Hunt症候群(ハント症候群)は20代、50代に多い傾向にあります。
小児においては男児より女児に多い傾向にあります。また、妊娠中、特に妊娠後期においてBell麻痺が生じやすいといわれています。
そして、出産後、1年は出産による体力の消耗、抵抗力の低下から顔面神経麻痺や突発性難聴などの病気、症状が現れやすいので注意が必要となります。
◆ベル麻痺
■ベル麻痺とは
Bell麻痺とは、顔の神経を動かす神経である顔面神経が急に機能しなくなり、まぶたが閉じれなくなったり、口元が垂れ下がったりする原因不明の顔面神経麻痺です。
顔面神経麻痺の中で、Bell麻痺の占める割合は、約55%と最も多くみられる病気です。
■ベル麻痺の症状
Bell麻痺の症状には片側が、目を閉じられない、額にシワを寄せられない、頬を膨らませられない、口笛が吹けない、イーと歯を見せられない、お茶を飲もうとすると口元からこぼれてしまうなどがあります。
その他、味覚が変わってしまう、涙や唾液の異常分泌が現れることがあります。
◆難聴を伴うハント症候群
■ハント症候群とは
Hunt症候群とは、耳帯状疱疹ともいわれ、片側の耳周囲、もしくは口の中に痛みを伴う水疱(帯状疱疹)と共に、顔面神経麻痺と難聴や耳鳴り、めまいが現れる病気です。
顔面神経麻痺の中では、約14%の割合を占めています。
Hunt症候群は、難聴も顔面神経麻痺も症状が非常に強く出てしまうため、完全には治りにくい病気で、発症から一日でも早く治療にとりかからなければなりません。
■ハント症候群の症状
Hunt症候群の症状は、まず耳やその周りに鈍痛と共に水疱が現れます。同時に、高度(重症)の難聴やめまいなど内耳神経(第Ⅷ脳神経)に関係する症状が現れます。
また、顔面神経膝神経節に潜伏感染している帯状疱疹ウイルスが再活性することにより、顔面神経麻痺として症状を現します(第Ⅶ脳神経)。
症状が強い場合、主に顔の知覚を司る三叉神経(第Ⅴ脳神経)領域を侵し、強い耳の痛みや嚥下(物を飲み込む)痛を生じたりします。
◆顔面神経麻痺に対する鍼灸治療
当院の鍼灸治療は、発病してすぐの急性期から、数か月~数年経過した状態でも治療対応可能です。
当院の専門的な治療は、最新の顔面神経麻痺ガイドラインに沿って行うため、損傷した表情筋、顔面神経に対して、髪の毛より細い使い捨ての鍼で優しく、より効果的に治療することができます。
また、禁忌となっている、迷入再生を促進させてしまう強力で粗大な随意運動や神経筋電気刺激(低周波療法)を顔面部におこないません。