逆子治療専門外来

妊娠28~30週からの逆子治療

妊娠30週、31週、32週の逆子

「妊娠28週で逆子と診断されました」
「お腹の張り止めは動悸するだけで治らなかったです」
「妊娠8ヶ月、2週間逆子体操しても治らなくて…」
「帝王切開は絶対イヤ!!」
「逆子の外回転術は恐くて」

逆子でお悩みの妊婦さんはいらっしゃいませんか?

 妊娠8ヶ月、妊娠28週前後で逆子がわかることはよくあります。
しかし、早期の赤ちゃんはよく動くので、たまたま逆子の位置になっているだけのことも。その場合は逆子体操や張り止めの薬で治ることはありますが、本当の逆子で妊娠30週を過ぎると自然に戻ることはありません。

鍼灸治療は妊娠後期の逆子の矯正に効果がある

逆子と診断されたらすぐに鍼灸治療を試してみるという方法がありますよ。

全日本鍼灸学会によると、鍼灸治療が逆子の矯正に一定の効果があることを調査した資料があります。資料では妊娠33週目の初産婦さんを260人集め、130人には鍼灸を行い、130人には鍼灸を行いませんでした。

具体的には、至陰というツボへのお灸を片側15分間ずつ30分間、1日に1〜2回実施。
そうしたところ、出産時には鍼灸を行わなかったブループの逆子矯正率が58.5%だったのに対し、鍼灸を行ったグループでは76%もの方が矯正されたという結果が示されています。[注1]

鍼灸治療が逆子の矯正に有効であることが分かりますね。

また、上記の資料によると鍼灸により胎動が増加することも明らかにされています。赤ちゃんが動きやすくなることも、結果として逆子が治ることに繋がるのかもしれませんね。

他にも、鍼灸は悪阻(つわり)や切迫早産予防にも一定の成果が報告されているようです。

妊娠期間中は薬物をあまり使いたくない方も多いものです。逆子治療に鍼灸治療という選択肢があるのはとても心強いですね。
逆子と診断された時には誰でも不安でいっぱいになってしまうものですが、諦めずに鍼灸治療を試してみてはいかがでしょう。

[注1]全日本鍼灸学会:お灸で骨盤位(逆子)が治る[pdf]

妊娠30週から逆子治療開始

妊娠30週逆子

妊娠28週で逆子診断、30週から治療開始
左から妊娠7ヶ月 → 妊娠8ヶ月 → 妊娠9ヶ月

逆子体操をしても逆子が直らない原因

 逆子になってしまう、逆子が直らない原因には以下のようなものがあります。

  • 冷え症や緊張感からお腹の張りが強い
  • 一人目の赤ちゃんで子宮が硬い
  • 子宮の奇形
  • 子宮筋腫
  • 卵巣嚢腫
  • 前置胎盤や低置胎盤
  • 羊水の量が異常な羊水過多・羊水過少
  • 臍帯が赤ちゃんに巻いている

などがあります。そして、その時のお腹は赤ちゃんにとって居心地の悪い状態なのです。

最近では、お腹の張りの原因となることから逆子体操をすすめない産婦人科も増えてきている現実もあります。

では「なぜ逆子は良くないのか?」

それは、逆子が赤ちゃんとお母さんの危険信号だからです。 お腹の状態がよくないから、赤ちゃんに危険が及ぶ恐れがあるから、赤ちゃんは、逆子の位置にいるのです。
逆子のまま出産を迎えると赤ちゃんの足のつま先や膝、つまり小さくてとがった部分で子宮口付近を圧迫しやすく、破水しやすいリスクがあります。また、お腹も張りやすくなります。

一番大きい頭の部分が最後に出てくるので頭蓋内出血や新生児仮死の危険性が高くなります。
その際に、頭と産道で臍帯を挟んでしまい、酸素不足になりやすいために、頭の娩出に時間がかかると新生児の状態が悪くなってしまう、脳が酸欠状態になり、発達障害の危険性があるからです。
また、胎児の腕や肩が出てくるときに、鎖骨や上腕骨などの骨折、肩や腕、手指の神経マヒをおこしてしまう危険性も高くなります。

そんな逆子の状態を改善するために鍼灸治療が必要となります。
逆子体操でも、張り止めの薬でも、外回転術でもリスクが大きいです。
その点、鍼灸治療なら安全に、安心して逆子を改善し、正常な体位に戻す可能性が高い治療法となります。

そして、近年問題となっている切迫早産の可能性も鍼灸治療なら改善できるとの研究結果もでてきています。

妊娠8ヶ月からの逆子診断方法

妊娠28週逆子

妊娠8ヶ月(妊娠28週)逆子のお腹

妊娠28週逆子の向き

妊娠8ヶ月(妊娠28週)逆子の位置

↑上の写真の場合、妊娠8ヶ月、28週のお腹ですが、お腹をよく見てみると、凹凸と陰影ができ、赤ちゃんの向きがある程度わかります。

妊婦さんの体質、性格、現在の体調など、東洋医学的な診断をすることで逆子治療の方針が決められます。

妊婦さんに、横になっていただき、膝を曲げ楽な姿勢をとっていただくことで、エコー診断が無くてもお腹を触ることで赤ちゃんの向き、姿勢がわかります。

お腹の温かさ、張り等を確認することで、逆子が直りやすい状態にあるのか、まだ直りにくい状態にあるのか判断できます。

逆子に対する鍼灸治療

逆子の治療

「逆子治療には鍼灸治療がいいよ」と聞いたことがある方は多いと思います。
これは本当で、逆子には鍼灸治療が有効なのです!

20年前、10年前と比べると、年々産科医からの逆子患者さんのご紹介が増えてきました。

患者さんのお話によると「やっぱり張り止めの薬がつらいし直らない」「逆子体操も大変なだけ」ということを産科医に相談したところ、鍼治療はどうかと勧められることがあるそうです。
それでは逆子でお困りの妊婦さんにどのような鍼灸治療を行っていくのかをご紹介いたします。

逆子治療に効果のあるツボは三陰交と至陰

実際に逆子の治療で使うツボは下記の2つになります。

三陰交(さんいんこう)

三陰交を刺激することは、身体の冷えを解消し、子宮周りの下腹部全体や胸部に作用し、赤ちゃんの動きを促進し、その結果逆子が改善するとされています。
至陰と同時に鍼灸を行うことで相乗効果が期待できるでしょう。

逆子の他にも更年期障害や生理痛など婦人科系のトラブルに強力な効果があるとされています。
ただし三陰交は妊娠初期の妊婦さんには刺激が強く流産を引き起こす可能性もあるツボです。自己判断で刺激するのはやめ、鍼灸院で相談して下さいね。

【三陰交:ツボの位置】
内くるぶしの一番高いところに小指を当て、指を4本そろえて置きます。その時に人差し指が当たっている場所が三陰交です。
つまり、内くるぶしから指4本上あたりの太い骨のすぐ横にあります。

【三陰交:主な効果】
肝臓・腎臓・消化器の働きを助けます。女性特有の様々な症状に効果があります。

至陰(しいん)

「逆子といえば至陰」というほど代表的なツボです。逆子の他にも頭痛や腰痛、難産にも効果があるとされています。
至陰を刺激して血流が改善されると、子宮が温まり羊水も増えることから、赤ちゃんが動きやすくなって逆子が治ると考えられています。
また、副腎皮質ホルモンが分泌されて赤ちゃんの動きが活発になるとも言われています。

【至陰:ツボの位置】
足の小指の爪の生え際で、最も外側に近い場所です。

【至陰:主な効果】
下半身の冷えを取り、一方でのぼせを緩和します。特に腰、太ももの後ろ側、ふくらはぎと、背面を温めます。
全身の血液循環を改善します。足を温めることは健康にもとても良い状態となりますよ。

逆子の治療

↑写真は、三陰交に鍼を刺している状態です。

ただし、前述したように三陰交は妊娠初期には流産を引き起こすリスクがあるツボです。

効果があるだけに強力なツボでもあるため、妊娠初期には刺激しないようにお気を付け下さいね。

逆子のための鍼灸治療、3つの方法

三陰交と至陰にどのようなお灸を行うかというと、主に下記の3つの方法があります。

  1. 極細の鍼を1〜2mmだけ刺し、遠赤外線で温める方法
  2. 鍼の頭の部分にもぐさをのせてお灸として温める方法
  3. 鍼を刺した後に鍼を抜き、お灸で間接的に温める方法

これらの中から妊婦さんの体質、体調にあわせて最適な治療法を選び出します。

逆子の治療では、早い場合には1回~3回の治療で効果の出る方もいます。
また、妊娠32週以降で逆子の状態にある患者さんでも、帝王切開予定日の前日、当日に直る方もいらっしゃるんです。

しかし下記のような方では逆子のなおりが悪い傾向もあります。

  • 初めて妊娠され、逆子の診断を受けた方
  • ストレスや不安が強い方
  • 不妊治療を受けられた方
  • 妊娠9ヶ月以降の逆子の方

そのため、1日でも早く鍼灸治療を試みて、一緒に状態を改善させていきましょう。

また、逆子治療も大切ですが、その前に優先される治療もあります。
妊婦さんに尿蛋白がある状態、血糖値や血圧が高め、足の痛みや冷えが強い場合は、切迫早産や妊娠中毒症の予防的治療を優先して行わなければなりません。

鍼灸の冷え取り効果と血流改善効果が逆子に優しく作用する

お灸

逆子は、胎動の減少などなんらかの原因により胎児の回転が妨げられて骨盤位(逆子)のままになることから起こるとされています。しかし未だに不明なことも多く誰でも逆子になる可能性があります。

東洋医学では「冷え」に着眼し、冷えからくる子宮の緊張を和らげることで逆子を改善していく、と考えます。
鍼灸治療では

  • 三陰交
  • 至陰

をお灸や鍼で刺激し温めることで、血流を改善して冷えを解消。
冷えを解消して子宮が温かくなり、血流改善で子宮の中の状態が良くなれば、赤ちゃんも回転できるようになって逆子が治ると考えられています。

つまり、鍼灸治療によって子宮の状態を良くすることは赤ちゃんの動きを助けることになるんです。
お産はお母さんと赤ちゃんの助け合いでもあるので、鍼灸治療で赤ちゃんが回転するのを優しくサポートしてあげてはいかがでしょうか。

鍼灸治療と合わせて生活改善を

ご紹介したように鍼灸治療は逆子の矯正に大きな効果があります。早い方では治療開始から3回程度までに改善されることも少なくありません。

ただし、なかなか効果が出ない方もいらっしゃいます。その場合にはゆったりした気持ちで決められた回数に従って気長に治療を継続してみましょう。
なかなか効果が出ない場合には生活習慣の見直しをすることも大切ですよ。

  • 温かい食事と入浴で身体を冷やさない生活をする
  • 栄養バランスのとれた食事をする
  • ストレスをためないようにする

など、日々の生活を改善してみましょう。

生活の改善をしながら鍼灸治療を行うことで、気が付いたら逆子が治っていたなんてこともありますよ。

逆子治療で治る確率は?

逆子の治る確率

鍼灸治療で逆子が治る確率は、
妊娠8ヶ月目で90%、9ヶ月で80%、10ヶ月で74%
が、およその目安になります。

これは、平成15年までの臨床経験からの統計で、平成28年現在では治療経験、技術向上したため、さらに高い改善率となっております。

赤ちゃんには、とにかく時間がありません!

悩んでいる間にも赤ちゃんはどんどんと成長し、予定日前(妊娠37~38週目頃)に帝王切開をしなければならなくなってしまいます。

しかし、当日の術前検診で治るケースも何度かありました。逆子治療のタイムリミットは帝王切開当日ということです。

帝王切開を決断する前に、赤ちゃんのためにも、そしてご自身の体のためにも、あきらめず、鍼灸の逆子治療を試してみませんか?

逆子治療を始める時期

来院時期

当院へ来院する逆子の患者さんの来院時妊娠周期はさまざまですが、比較的多いのは妊娠29週、31週前後です。その理由は、妊婦健診が妊娠7-8ヶ月、つまり妊娠24週から35週の間は2週間に1回あります。

赤ちゃんが小さいうちは、姿勢が定まらず、お腹の中をぐるぐると動きます。次第に大きくなってくる8ヶ月あたり、妊婦健診でいうと27週から29週のあたりで逆子と診断されやすいからです。

そして、妊婦さんは、逆子体操を指導され、2週間続けます。それでも直らないときに、産科医に鍼灸治療をすすめられる場合、ご自身で調べて鍼灸治療を希望する場合とがあります。
また、逆子とわかった時に、自分で逆子のことを調べ、対処法として鍼灸治療をみつけ来院されるケースです。

これらの時期がちょうど妊娠29週と31週前後が多い理由です。

逆子治療の開始時期

逆子治療を始める時期の目安は、逆子と診断されたら早い方が良いです。もっと理想的なのは、逆子と診断される前に、安産などの目的で、妊娠がわかったら鍼灸治療を始めることです。
そうすることで、つわりや逆子、切迫早産や妊娠高血圧、陣痛の遅れを予防することができます。

逆子治療セミナーのご紹介

 当院グループでは、鍼灸師に向けて逆子治療のセミナーもおこなっています。
このセミナーでは、逆子の基礎知識から、お腹の触診方法、妊娠周期、状態に合わせた治療方法の説明、実技指導をおこないます。同時に、妊娠中に見逃してはいけない兆候とその対処法も解説します。

(1)逆子治療セミナー 講義風景

逆子治療セミナー

(2)逆子の診断:赤ちゃんの向きを触診 鍼治療

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