子どもの難聴
目次
子供の難聴
■子供の難聴とは
子供は成長段階であり、構造上の問題から難聴を引き起こしやすくなります。 子供が難聴を発症する原因疾患はさまざまですが、当院で難聴の治療をおこなっているお子さんの殆どが中耳炎による難聴、はしかやムンプス(おたふく)の後に発症した難聴、原因不明の難聴(突発性難聴)です。
■子供に最も多い中耳炎性の難聴
子供の耳は成長途中のため大人と比較して小さく、同時に耳管と呼ばれる耳と鼻を連絡している通路の傾きが穏やかなため、くしゃみや咳、鼻をかんだとき、水泳中に鼻水や水が耳に侵入しやすくなってしまいます。そのため、中耳炎を発症し難聴の症状が現れます。
■原因不明の難聴
子供で突発性難聴等と診断される場合は、成長段階において耳に関係する器官の一部が循環障害を起こしたときに発症します。原因としては感受性豊かな子供が引越しや席替えなど環境が変わるだけでも精神的ストレスにつながり発病することもあります。また、過剰な運動から内耳の循環障害を起こす場合もあります。子供の難聴は健康診断などで発見される場合が多く、発症からかなりの時間が経過して回復が難しくなることも少なくありません。
■ムンプス難聴
最も回復が難しいとされる難聴の一つがムンプス難聴です。 ムンプスとはおたふく風邪(流行性耳下腺炎)の原因となるウイルスのこと、この病気にかかると顔、特に耳の下がおたふくのように腫れ上がり高熱になります。特に3~9歳に発症しやすく、症状の一つとして難聴が現れることがあります。
子供の難聴治療

(1)小児難聴の代表的なツボ
耳門・聴宮・聴会

(2)小児難聴の治療風景
子供用の小児鍼を使用しています
子供は成長段階であり、精神的、肉体的にも感受性が豊かです。良くも悪くも様々な刺激が素直に反応します。そのため、治療には軽く皮ふのツボに触れるだけの刺さない小児はりを使用します。大人と違い、子供さんにはこの程度の刺激で十分効果があります。
子供の難聴の治療効果
ステロイド点滴や鼓膜への注射、血流改善薬、利尿剤、高圧酸素療法… 病院でいろんな治療をしたけれど、一向に良くならない!そんな悩みをお持ちではありませんか? 近年、疲労の蓄積や精神的ストレスによる血行障害が突発性難聴の発症に大きく関わっているということが分かってきましたが、西洋医学の分野では有効な治療法が確立されておらず、病院では上記のような治療を試行錯誤しているのが現実です。 一方、東洋医学をベースとする鍼灸治療では主となる耳の症状だけに焦点を絞ってアプローチするのではなく、難聴が発症した原因が「身体のどこにあるのか」も追求します。 そして、その原因を踏まえたうえで(耳以外の部分も含めた)全身の関連器官の血流改善治療を行うため、病院で「治らない」とサジを投げられてしまった患者さんでも、鍼灸治療で聴力が回復することは決して珍しくないのです。
★実際に当院で鍼灸治療を受けた過去数年の治療実績をランダムにご紹介します。
■9歳女性

- 発症年月日:2009年7月
- 初診日:2009年8月
- 治療前検査日:2009年8月
- 治療中検査日:2010年1月
- 備考:突発性難聴
■9歳女性その後

- 発症年月日:2009年7月
- 初診日:2009年8月
- 治療前検査日:2009年8月
- 治療中検査日:2010年4月
- 備考:突発性難聴